トマト水耕栽培・養液栽培の7月

5月、6月と家庭菜園の主役のトマト栽培の報告をしてきたが7月になり、実が赤くなり収穫が始まった。ミニトマトのアイコと100円ショップのタネから育てた中玉トマトは収穫して食べ始めたが大玉の桃太郎はまだ実が青い状態だ。下記写真は赤くなり始めた中玉トマトである。

トマトは衣装ケース式水耕栽培でアイコをバーミキュライトを培地にした養液栽培で中玉トマト、塩ビパイプ式水耕栽培で桃太郎と中玉を栽培している。下記写真は庭にヤグラを組んで栽培中の全体像だ。

ヤグラは1.8メートルほどの高さに組んだが中玉トマトとアイコはヤグラの高さをはるかに超えている。通常は芯止めしなければならないのだろうがヤグラの上を這わせるように育てる予定だ。次の写真は南壁の塩ビパイプ式水耕栽培の中玉トマトと大玉トマトの桃太郎である。

左が中玉、右が桃太郎だが、桃太郎の成長スピードは速く高さは3メートルを超えている。塩ビパイプの長さは50センチなので、根の容量と比較して良く成長していることがわかる。ただし、茎が太すぎて生殖成長よりも栄養成長が上回っており収穫を考えるとあまり効率的とは言えない。もっとも南壁は風が強く茎が細すぎては折れてしまう危険があるし、今後さらに育つことを考えると桃太郎自身の判断は正しいのかもしれない。今年はどこまで伸びるか限界に挑戦となる。
ところで、このところ連日30度を超える暑さだが養液の消費量が多くなってきた。衣装ケース式のアイコは1日10リットル、ダストボックス式養液栽培の中玉トマトは1日5リットルと消費量が半端ではない。この消費量では自動給水式で育てなければトマトの水耕栽培・養液栽培で夏中食い放題を実現させるのは難しいと思う。とりわけ今月下旬1週間ほど東京に出かけるが、その間の貯水槽の準備が大変である。夏の1週間のためトマトだけで45リットルペール10個の貯水槽を準備しなければならないのである。

 

キュウリ養液栽培の温室効果

キュウリは4月に苗を買ったものを南壁で育て、実を収穫できる時期を迎えた。しかしキュウリは短期間に育ち枯れてしまうので、今年は最初の苗の収穫が終わった頃に次の苗が収穫できるように、一月ずつずらして タネから苗を育てている。しかし計画通りにいかないのが家庭菜園である。まず南壁のキュウリは収穫期を迎えているが育ちが悪く葉も小さい。

それに比べると、今年 ベランダに作った温室で栽培しているキュウリは4月の後半にタネから催芽して育てたものだが下記写真のように温室全体を占有しそうなぐらいに成長が速く、数日後には初収穫ができそうだ。

キュウリは全て培地を バーミキュライトにした底面給水式養液栽培だが、南壁は日当たりが良いが鉢が少し小さいのと、自動給水器の水位設定が低く養液が十分に供給できていないのが、育ちが悪い原因だろう。一方、温室栽培の方は東向きで南壁ほど日当たりは良くないが標準サイズのプランターで自動給水の水位設定も適切で温室内の温度が高いため成長が早いのだと思う。寒冷地の八戸では温室は期待以上の効果が出ている。
しかし温室内ではキュウリの他に、同じツル性野菜のツルありインゲンやメロンも栽培しているがキュウリに温室を占有され、日光が遮られ思ったほどには育っていない。限られた栽培面積しかない家庭菜園では日当たりをそれぞれの野菜にバランスよく当てるのは難しい。

トマト水耕栽培・養液栽培の6月

先月の今ごろ、トマト水耕栽培・養液栽培の5月を書いたが、1ヶ月後の現在を報告したい。最初は収納ケース式水耕栽培のアイコである。

先月までは簡易温室にして育てていたが現在では支柱で組んだヤグラの天辺に達しそうにまで伸びた。そして赤い実が一個できていた。6月下旬から本格的に収穫できそうである。
次はダストボックスにバーミキュライトを入れた養液栽培の中玉トマトである。これも5月は防風・防水・防寒のためビニールで覆っていたが取り外している。

この中玉トマトは水耕栽培のアイコに比べてやや遅れてはいるが、青い実が成り始めているので今月の終わりごろには収穫が始まりそうだ。
次は南壁の塩ビパイプ式水耕栽培の中玉トマトと桃太郎である。

南壁で日当たりが良いせいか茎も太く順調に伸びている。こちらも青い実が成り始めた。道端にあるので他人に最も注目されやすいのだが、昨年は8月にうっかりエアーポンプの電源を切ってしまい酸素切れで途中で枯らしてしまったので今年は注意したい。
いずれのトマトも自動給水式栽培だが貯水槽は分けている。本日から1週間ほど東京に行ってくるがその間給水にトラブルがあった時に全滅を防ぐためだ。

キュウリを時期をずらして栽培

4月に苗を買って鉢植えしたキュウリはそろそろ実が成り始めた。

南壁の隙間に植えたこのキュウリは6月下旬から7月にかけて収穫期を迎える。バーミキュライト培地による養液栽培で自動給水している。
キュウリの特徴は栽培期間が短い点だ。そこで今年は苗を買って最初に収穫する株と時期をずらして4月下旬と6月上旬にタネ植えし8月と9月にも収穫できる株を準備している。下記写真は4月下旬タネから育てたもので、ベランダ温室で標準サイズのプランターで2株養液栽培しているキュウリである。

温室で暖かいせいか予想以上に成長が早く実はまだだが葉は20センチほどに巨大化している。ちなみに奥に見えるのはツルありインゲン、そして左のエアーポンプは写真には写っていないがメロンの水耕栽培用である。メロンについては別途紹介予定。
さらに下記写真は6月上旬にタネ植えしたキュウリで現在双葉状態である。

これは南壁のキュウリが枯れた頃に同じ場所に鉢植えする予定である。なお左下のアルミ箔の下に新型の底面給水式自動給水器が隠れている。この自動給水器は今季中実証試験を終えて、来年発売予定である。

小ネギのリボベジ

私は根付きの小ネギを買った時、根元を残してガラスコップに入れて再生野菜で育てることにしている。下記写真は3週間後でそろそろ収穫できそうだ。数日に一度水耕栽培用の養液を与えたが、藻の発生が少し気になるのでコップの下をアルミ箔で包んだ方が良いかもしれない。

ベランダに温室を作る

このところ八戸も最高気温30度近い暑さが続いているが、それでも夜になると電気コタツにスイッチを入れる寒さだ。前から寒冷地では春は遅く秋は早いので家庭菜園用温室が欲しいと思っていた。先週、東京に行った際にホームセンターで家庭菜園用ビニール(0.1㎜✖️185㎝✖️10m)を見つけ、三千円ちょっとで買ってきた。写真は今回ベランダに作ったビニールで包んだ温室である。

ベランダは築30年以上の木造なので木材を天井四方に2㎝ほどの隙間を空けるようにしてネジ止めした。その隙間にビニールを通して全体を包むように巻いた。ビニールは温室の四方に支柱を立てて止めてある。床にスタイロフォームとベニヤ板を敷いて風が入らないように密閉した。これでベランダ温室の完成である。経費五千円以下でできた。
中に入ってみると日差しの良い日は外気よりかなり暖かく感じる。さっそく三方に網を張り、ツル性の野菜のツルありインゲンとキュウリを標準サイズのプランターで養液栽培することにした。

温室の外に設置した貯水槽からは距離があるので床に塩ビパイプを敷き養液を供給する方式だ。ここでは塩ビパイプに多数つけた端子(GX-36)から黒のゴムチューブで自動給水器の入水端子に接続し出水端子からチューブをT字パイプで分岐し各プランターに養液を供給している。なおT字パイプの分岐では藻が発生しないようにアルミ箔で光を遮断している。
ベランダ温室の利点は温度ばかりでなく雨、風を防止できるため、水耕栽培や養液栽培に向いていると思う。私の家庭菜園は自動給水式なので、この温室で雨風を気にせず長期にわたる無人栽培ができるようになった。

トマト水耕栽培・養液栽培の5月

トマトは水耕栽培・養液栽培の主役である。このブログでも定期的に成長具合を報告したいと思う。
今年はミニトマトのアイコとトマトの桃太郎の2株の苗を購入し、他はタネから育てた中玉トマトとした。最初の写真は収納ケースを使用した水耕栽培のアイコである。

全体を簡易温室で覆っているが、防風・雨水防止目的も兼ねている。4月に東京で買い求めた苗をサンルームで育てた後、5月に庭の簡易温室に移したものである。エアーポンプとストーンを使用した水耕栽培で右下に自動給水器があり高めの水位設定にしてある。順調に行けば今月末にはビニールを撤去し、支柱でヤグラを組む予定である。
次は今年作った「防風・防水・防寒効果のある栽培鉢」の中玉トマトである。

これはタネから育てたものだが室内で育てた期間が長かったせいか徒長気味である。昨日の強風にも耐え、順調に育っている。近くに自動給水器を設置し水位は10センチ程度としバーミキュライトを使用した養液栽培である。
次は南壁を利用した塩化ビニルによる水耕栽培である。

長さ1メートル直径10センチの塩ビパイプを半分に切って作った高さ50センチの栽培鉢を2本狭い隙間に設置している。エアーポンプ・ストーン使用のバブリングによる水耕栽培である。これも塩ビパイプ下部に接続端子(つなぎGX-36)を付け横に設置した自動給水器で養液を給水している。ビニールの袋で覆っておるので見難いが苗の頭が出始めている。左が中玉トマトで右が桃太郎である。
これから東京に出発し8日後に帰る予定だが、自動給水に不具合があれば枯れる恐れがあるので入念にチェックした。

苗のトレイ栽培と自動給水器出水端子の分岐

明日東京に8日間ほど行ってくるので、苗のトレイに自動給水器が正常水位で働いているかどうかチェックした。
最初の写真の左がキュウリで右がレタス、中央に自動給水器を設置している。次の写真がメロンとインゲンである。メロンはキュウリよりやや遅れ双葉が出始めたところ。一方インゲンは成長が速く苗らしくなってきた。3番目の写真はサニーレタスと二十日大根である。いずれも隙間をアルミ箔等で覆い藻が発生しにくいようにしている。

苗の育成はトレイの上にセルトレイや栽培ポットを置き底面給水する方式だ。トレイには給水用の接続端子として、つなぎGX-36を付けている。トレイの数が多いので、ここでは2個の自動給水器を使い出水端子からT字パイプを使用して分岐している。トレイに2個端子を設け数珠つなぎにし過ぎると末端のトレイに養液が供給されにくくなるためT字パイプ等で分岐した方が望ましい。
ところで分岐には下記3つの方法がある。

一番上がT字パイプで、これは本来は水槽のエアー分岐用なので養液の分岐に使う場合はアルミテープ等で包み光を遮断しないと藻が生えてしまう。次がtakagiの4分岐でホームセンターなどで入手しやすく使いやすいがやや高価である。一番下が自作の分岐用で塩ビパイプを切って電ドルで穴を開け、つなぎGX-36を付けたもの。

種を発芽させるー催芽まき

タネを発芽させる時は弁当箱サイズのトレイにキッチンペーパーを二重に重ねて水で浸した後、種をまき、上から一枚にはがしたティッシュペーパーで覆う。すると、種がちょうど良い具合に水に浸る。後はトレイを薄暗い場所に置いて、数日間、根が出るのを待つ。根が出たら、発芽する前にバーミキュライトを入れた栽培用セルトレイに1〜2個ずつ植えていく。
しかしタネの発芽が簡単なレタス類はこれで良いが、夏の実物野菜では発芽温度が適切でないと失敗することが多い。とりわけ発芽温度が高いトマトやゴーヤを寒冷地の八戸で発芽させるには温度コントロールした箱に入れなければ難しい。
そこで今年は発泡スチロールの箱の中に、ビニール袋に入れたシート式アンカを敷き、その上に先の催芽撒きしたトレイを置き、さらにトレイの上に電子サーモスタットのセンサーやサーミスタ温度計のセンサーをセットした発芽箱を作った。アンカをビニール袋に入れるのは蒸発した水滴が発泡スチロールの箱の蓋で冷えて水滴となって落ちるので濡らさないためである。

夏野菜の発芽温度は25℃ぐらいなので、サーモスタットを25℃にセットして保温した。結果、トマト、キュウリ、メロン、ピーマン、ナス、インゲン、ゴーヤの発芽に成功した。とりわけ昨年食べたメロンが、取ったタネを8ヶ月冷蔵庫で保管したものから根が出た時は感動した。メロン以外のタネは全て100円ショップで買ったものである。
根が出るまでの期間はタネの種類によってかなり違う。大抵は2〜3日から1週間程度で根が出たが、トマトやメロンは1週間以上、ゴーヤは2週間以上かかった。

簡易温室の作成

八戸も桜が満開で暖かくなってきた。最高気温は10~20度ぐらいになってきたが夜の最低気温は零下にはならないものの1~2度のことが多く、まだまだ寒い。そこで簡易温室を作成することにした。簡易温室を購入すると最低でも五千円ぐらいはかかってしまう。ところが温室用替えビニールカバーだけだと千数百円で買えるので、支柱でヤグラを組んで温室用替えビニールカバーを被せる方式にした。
問題は、庭に設置するのだが、地面がコンクリートなので支柱をさすことができない。そこで支柱用のコンクリートの重りがないものか探したが適当なものが見つからず、自作することにした。写真が簡易温室の全体像(カバーをめくり上げている状態)と支柱を垂直に固定する取り付け台である。

通常、コンクリートで取り付け台を作るには木枠を作って水で溶いたコンクリートを流し込むのだが、木枠作りが面倒なので何か型に適したものがないかと探したら養命酒の箱を見つけた。養命酒の箱を半分に切ってコンクリートを流し込み中央に120センチの支柱を突き刺し固まるまで固定した。養命酒の箱は紙製だが厚いので崩れることはなかった。この支柱取り付け台を4個作り、これを土台に支柱でヤグラを組み市販の温室用替えビニールカバーを被せ、四隅をヒモで結び、中央に柱を立てて、簡易温室を作った。地面のコンクリートは寒暖の差が大きいので黒のカラーボードを敷いた。
ポイントは支柱取り付け台で、これは地面が土ではなくコンクリートの時、ヤグラを組むのに汎用的に使えると思う。ただし強い風が吹くと倒れる恐れがあるので簡易温室の四隅をヒモで近くの柵などに結び、固定することにした。
材料費は温室用替えビニールカバーやコンクリート、支柱代などで二千円程度で製作できた。