ベランダに温室を作る

このところ八戸も最高気温30度近い暑さが続いているが、それでも夜になると電気コタツにスイッチを入れる寒さだ。前から寒冷地では春は遅く秋は早いので家庭菜園用温室が欲しいと思っていた。先週、東京に行った際にホームセンターで家庭菜園用ビニール(0.1㎜✖️185㎝✖️10m)を見つけ、三千円ちょっとで買ってきた。写真は今回ベランダに作ったビニールで包んだ温室である。

ベランダは築30年以上の木造なので木材を天井四方に2㎝ほどの隙間を空けるようにしてネジ止めした。その隙間にビニールを通して全体を包むように巻いた。ビニールは温室の四方に支柱を立てて止めてある。床にスタイロフォームとベニヤ板を敷いて風が入らないように密閉した。これでベランダ温室の完成である。経費五千円以下でできた。
中に入ってみると日差しの良い日は外気よりかなり暖かく感じる。さっそく三方に網を張り、ツル性の野菜のツルありインゲンとキュウリを標準サイズのプランターで養液栽培することにした。

温室の外に設置した貯水槽からは距離があるので床に塩ビパイプを敷き養液を供給する方式だ。ここでは塩ビパイプに多数つけた端子(GX-36)から黒のゴムチューブで自動給水器の入水端子に接続し出水端子からチューブをT字パイプで分岐し各プランターに養液を供給している。なおT字パイプの分岐では藻が発生しないようにアルミ箔で光を遮断している。
ベランダ温室の利点は温度ばかりでなく雨、風を防止できるため、水耕栽培や養液栽培に向いていると思う。私の家庭菜園は自動給水式なので、この温室で雨風を気にせず長期にわたる無人栽培ができるようになった。

トマト水耕栽培・養液栽培の5月

トマトは水耕栽培・養液栽培の主役である。このブログでも定期的に成長具合を報告したいと思う。
今年はミニトマトのアイコとトマトの桃太郎の2株の苗を購入し、他はタネから育てた中玉トマトとした。最初の写真は収納ケースを使用した水耕栽培のアイコである。

全体を簡易温室で覆っているが、防風・雨水防止目的も兼ねている。4月に東京で買い求めた苗をサンルームで育てた後、5月に庭の簡易温室に移したものである。エアーポンプとストーンを使用した水耕栽培で右下に自動給水器があり高めの水位設定にしてある。順調に行けば今月末にはビニールを撤去し、支柱でヤグラを組む予定である。
次は今年作った「防風・防水・防寒効果のある栽培鉢」の中玉トマトである。

これはタネから育てたものだが室内で育てた期間が長かったせいか徒長気味である。昨日の強風にも耐え、順調に育っている。近くに自動給水器を設置し水位は10センチ程度としバーミキュライトを使用した養液栽培である。
次は南壁を利用した塩化ビニルによる水耕栽培である。

長さ1メートル直径10センチの塩ビパイプを半分に切って作った高さ50センチの栽培鉢を2本狭い隙間に設置している。エアーポンプ・ストーン使用のバブリングによる水耕栽培である。これも塩ビパイプ下部に接続端子(つなぎGX-36)を付け横に設置した自動給水器で養液を給水している。ビニールの袋で覆っておるので見難いが苗の頭が出始めている。左が中玉トマトで右が桃太郎である。
これから東京に出発し8日後に帰る予定だが、自動給水に不具合があれば枯れる恐れがあるので入念にチェックした。

苗のトレイ栽培と自動給水器出水端子の分岐

明日東京に8日間ほど行ってくるので、苗のトレイに自動給水器が正常水位で働いているかどうかチェックした。
最初の写真の左がキュウリで右がレタス、中央に自動給水器を設置している。次の写真がメロンとインゲンである。メロンはキュウリよりやや遅れ双葉が出始めたところ。一方インゲンは成長が速く苗らしくなってきた。3番目の写真はサニーレタスと二十日大根である。いずれも隙間をアルミ箔等で覆い藻が発生しにくいようにしている。

苗の育成はトレイの上にセルトレイや栽培ポットを置き底面給水する方式だ。トレイには給水用の接続端子として、つなぎGX-36を付けている。トレイの数が多いので、ここでは2個の自動給水器を使い出水端子からT字パイプを使用して分岐している。トレイに2個端子を設け数珠つなぎにし過ぎると末端のトレイに養液が供給されにくくなるためT字パイプ等で分岐した方が望ましい。
ところで分岐には下記3つの方法がある。

一番上がT字パイプで、これは本来は水槽のエアー分岐用なので養液の分岐に使う場合はアルミテープ等で包み光を遮断しないと藻が生えてしまう。次がtakagiの4分岐でホームセンターなどで入手しやすく使いやすいがやや高価である。一番下が自作の分岐用で塩ビパイプを切って電ドルで穴を開け、つなぎGX-36を付けたもの。

種を発芽させるー催芽まき

タネを発芽させる時は弁当箱サイズのトレイにキッチンペーパーを二重に重ねて水で浸した後、種をまき、上から一枚にはがしたティッシュペーパーで覆う。すると、種がちょうど良い具合に水に浸る。後はトレイを薄暗い場所に置いて、数日間、根が出るのを待つ。根が出たら、発芽する前にバーミキュライトを入れた栽培用セルトレイに1〜2個ずつ植えていく。
しかしタネの発芽が簡単なレタス類はこれで良いが、夏の実物野菜では発芽温度が適切でないと失敗することが多い。とりわけ発芽温度が高いトマトやゴーヤを寒冷地の八戸で発芽させるには温度コントロールした箱に入れなければ難しい。
そこで今年は発泡スチロールの箱の中に、ビニール袋に入れたシート式アンカを敷き、その上に先の催芽撒きしたトレイを置き、さらにトレイの上に電子サーモスタットのセンサーやサーミスタ温度計のセンサーをセットした発芽箱を作った。アンカをビニール袋に入れるのは蒸発した水滴が発泡スチロールの箱の蓋で冷えて水滴となって落ちるので濡らさないためである。

夏野菜の発芽温度は25℃ぐらいなので、サーモスタットを25℃にセットして保温した。結果、トマト、キュウリ、メロン、ピーマン、ナス、インゲン、ゴーヤの発芽に成功した。とりわけ昨年食べたメロンが、取ったタネを8ヶ月冷蔵庫で保管したものから根が出た時は感動した。メロン以外のタネは全て100円ショップで買ったものである。
根が出るまでの期間はタネの種類によってかなり違う。大抵は2〜3日から1週間程度で根が出たが、トマトやメロンは1週間以上、ゴーヤは2週間以上かかった。