家庭菜園で最も重要なことはなんでしょうか。
私は自動給水だと思います。
野菜を栽培する時、最も大変なのは日々の水やりです。
自動給水さえ可能になれば一週間に一度、貯水槽の養液を確認するだけの無人栽培が実現できるのです。
私が提案する自動給水式栽培は電気を使わず、わずか数千円から始められます。
手間をかけずに低コストで家の庭やバルコニーで野菜作りを始めませんか。
なお、このサイトでは主に水耕栽培を推奨していますが、自動給水器は土耕栽培にも使えます。
- 水耕栽培の利点について
土耕栽培では土の管理が大変です。土を耕し、適切な肥料を与え、日々の水やりなども大変な作業ですが、とりわけ都会でプランター栽培する場合は、収穫が終わった後の土を簡単には捨てられないのが困りものです。土を再生して毎年使えるように維持するのは結構大変なのです。
その点、水耕栽培は土を使わないので都会での家庭菜園に適しています。
ところで液状肥料を使った栽培は正式には養液栽培と称します。すなわち培地を使うものは厳密には水耕栽培とは言えませんが、このサイトでは無機質の培地を使った栽培も広義の意味で水耕栽培と称しています。養液栽培より水耕栽培という言葉が一般に普及しているからです。なお、無機質の培地とはバーミキュライトやロックウールのことで石を原料として作られたものです。このサイトではホームセンターや100円ショップで入手しやすいバーミキュライトを使います。無機質ですので、ふるいにかけて根を取り除くだけで繰り返し使え、土再生の手間がかかりません。
水耕栽培では野菜が必要とする14種類の元素はすべて液状肥料として与えることになります。一般に誤解が多いのですが、植物は有機物を直接吸収できません(注1)、有機肥料が効果的なのは微生物が穏やかに有機物を根から吸収できる無機物に分解してくれるためです。したがって14種類のイオン化された元素を液状肥料として与えれば養分が欠けることはありません。土耕栽培では固形肥料や有機肥料が思い通りにイオン分解されず野菜を育てることが難しいのですが、水耕栽培ではイオン化された元素を直接与えるため即効性があり肥料の濃度を管理するだけで簡単に大きく育てることができるのです。
注1)一部の有機物は根からも吸収されます。
このサイトでは、主にまったく土を使わない狭義の水耕栽培と、培地としてバーミキュライトを使った水耕栽培(厳密には養液栽培)を紹介します。
- 自動給水の重要性について
家庭菜園で最も大変な作業は日々の水やりです。とりわけ困るのが旅行や帰省時です。たとえばトマトやキュウリなどの夏野菜は一日に数リットルも消費しますので最盛期には一日何度も水やりをしなければならず、旅行どころではありません。
実は私は現在、八戸と東京での二重生活をしています。4週間八戸、1~2週間東京といった具合です。そこで八戸で家庭菜園を行うには自動給水の仕組みが不可欠でした。ところが世の中には安価な自動給水器がなく、大型のものばかりです。そこで研究を重ね、超小型の自動給水用水位調整器を開発しました。使ってみるととても便利なので、このサイトで紹介するとともに1個送料込み1000円で自作販売することにしました。なお今回開発した自動給水用水位調整器は特許出願中(特願2016-23112)です。
さらに通常の培養土によるプランダー栽培に使える埋め込み式自動給水器も現在実証試験中です。いずれこのサイトで紹介できると思います。
- 自動給水用水位調整器の紹介
外観を下記写真で示します。容器式になっていますが非常に小さく、縦横8cm高さ5cmぐらいです。容器の蓋と、下部にチューブ接続用の端子がついています。中は上部に接着パッドが埋め込まれたフロートが入っているだけの簡単な構造です。
動作原理を説明します。
下図のように自動給水用水位調整器は栽培ポットと貯水槽(8~45リットルのバケツ)の中間に設置します。内径4mmのゴムチューブで相互に接続しています。
まず貯水槽から養液が水位調整器に入ります。そして水位調整器から栽培ポットへ養液が流れます。やがて栽培ポットの水位が上昇し水位調整器の位置まで達すると水位調整器内のフロートが上昇し、フロートの上部に埋め込まれているゲル状接着パッドが水位調整器の蓋の内側端子部を圧着し、弁の役割を果たし貯水槽からの養液の流れを止めます。栽培ポットの養液が野菜によって消費されて水位が下がると、水位調整器の水位も下がり再び貯水槽から養液が供給されます。すなわちサイフォンの原理により栽培ポットと水位調整器の水位は常に一致するように自動的に養液が供給されるわけです。
これはトイレの貯水タンクと同じ原理なのですが、家庭用の水耕栽培で必要とされる流量ははるかに少なく、大幅に小型化したのが今回の水位調整器の特徴です。一般家庭の郵便ポストに入る程度まで小型化できたので送料も安く、低価格で通信販売できるようになりました。ぜひお試しください。
下記写真は2016.02.20自動給水器を使ったレタスの栽培例です。
なお自動給水式水耕栽培を実現するには、貯水槽や栽培ポットを作成する必要があります。詳しくは栽培容器や水耕栽培用肥料を参照ください。